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アメリカ中が熱狂した全盲の箏曲家・衛藤公雄
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    いくつかセミナーを持っていますので、その講座で使う教材を揃えるのにいつも苦労しています。できる限り広い範囲から選ぼうと気をつけてはいるのですが、1コマ90分の講座時間からどうしても小説のような長編ものより随筆やエッセイ、詩といった単編が多くなりがちです。最近使ったテキストに宮城道雄さんの随筆集「春の海」から「筝と私」というエッセイがありました。まずタイトルの「筝」を、私は「そう」しか読めなかったのですが「そう」と読むのか「こと」と読むのか、というまことにお恥ずかしい初歩的なところから調べなくてはなりませんでした。「筝」は「そう」、「こと」とも読む。七弦の「琴(きん)」に対し、十三弦の「こと」を指す。正月を迎え今も目にし耳にする「こと」はこの「筝」のこと。

     

    ところで前々回の和楽器アンサンブルで津軽三味線や尺八と洋楽器のコラボを聴いたとき、ちょうどやはり和楽器の代表・筝の奏者の本を読んでいました。箏曲家・宮城道雄さんも尺八の大家・高橋竹山さんもでてきます。それは箏曲家・衛藤公雄(きみお)さんの生涯を追った谷口和己著「奇蹟の爪音(つまおと)」という本です。一気に読みました。何と大分県安心院町出身の大箏曲家でした。1924年(大正13年)に生まれ5歳で失明、宮城道雄に入門し14歳ですでに師匠へ。戦後、進駐軍でのジャズ演奏や日劇などで活躍、そうした活動は格式を重んじる日本の箏曲界の異端児とみなされ、1953年(昭和28年)29歳でアメリカに渡る。筝の普及にまい進しアルバムも4枚発売。カーネギーホール、ニューヨーク・タウンホール、リンカーンセンター、フィルハーモニック・ホールなどでリサイタルを開催、全米で演奏ツアーを行い絶賛を博す。1964年、公雄のためにヘンリー・カウエルが作曲した『筝と管弦楽のための協奏曲』を巨匠レオポルド・ストコフスキー指揮によりフィラデルフィア管弦楽団と世界初演。翌年、この曲を日本武道館初の音楽演奏会として日本初演。15年間の海外生活のあと1967年に帰国、生田流衛藤派を創流、後継の指導に当たる。2012年(平成24年)88歳で逝去。

     

    日本では「十七弦の衛藤」と名を馳せた公雄の筝の実力は誰もが認めるところであったが、日劇の舞台に立ったり米軍キャンプまわりをしてジャズやラテンを演奏する彼の活動はしきたりや伝統の世界にあってすべて型破りであったという。そうした日本からアメリカに渡り、カーネギーホールでの尺八の代わりにニューヨークフィル首席フルート奏者ジョン・ウォールマンを従えての堂々たる演奏は翌日の新聞に「筝のハィフェッツ」「筝のセゴビア」と絶賛する記事が載ったという。ハィフェッツとは20世紀を代表するロシア出身のバイオリニスト、ヤッシャ・ハィフェッツ。セゴビアとは「現代クラッシック・ギター奏者の父」と称されたスペインのギタリスト、アンドレス・セゴビアのこと。

     

    晩年は小ホールで本物のナマの音楽を聴いてもらおうと、1987年(昭和62年)には時代の最先端を行く多彩な出演者たちが常に注目されていた渋谷ジャンジャンで演奏。青森の伝統芸能であった津軽三味線を世に広めたのは、1973年(昭和48年)やはり目が不自由だった高橋竹山が63歳でこの渋谷ジャンジャンに出演したのが契機となったといわれるが、奇しくも公雄もその時、同じ63歳であったという。

     

    2016年11月、衛藤公雄の秘蔵音源が日本伝統文化振興財団によってCD化され、それを聴いた京都市立芸術大学名誉教授の久保田敏子はライナーンーツに次のように記している「今改めてCDを聴きますと、惚れ惚れするようなすばらしい爪音で、手の動きはまるで神業のようです。そして紡ぎ出された音楽には、単なる冷酷な超絶技法の披瀝ではなく、情趣があふれ人間的な温かみが宿っているのです。まさにレジェンドの人です。これほどの人が何故、埋もれてしまったのでしょうか」と。

     

    尚、弟は高名なフルート奏者、妻も公雄の片腕となって活躍した名箏曲家、次男は小泉今日子・藤井フミヤ・布袋寅泰・堂本剛など様々なアーティストをサポートするパーカッショニストの爛好謄ーブ・エトウ瓠三男はのちに21歳で和太鼓集団「鼓動」に参加、その後独立してボブ・ディランやボン・ジョビなど世界のアーチストたちと共演した和太鼓奏者の爛譽福璽姫卞瓠

     

    珞犬料佞任覯賛Г呂垢戮討鯆怯曚任る瓩箸いΡ卞8雄、牾擺錣鯡弔蕕垢里任呂覆、ホールを鳴らす筝瓩噺世錣譴身爐冷犬硫擦魏燭箸聴いてみたいものです。CDを探してみます。

     

    posted by: ちあやほーぶん | - | 07:35 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
    衛藤公雄の直弟子だった渡辺由布子と申します。

    この記事を読み、大変うれしく思っています。どうもありがとうございます。

    衛藤公雄の想い出を綴った「薫公会ブログ」を始めました。応援して戴けると嬉しいです。
    https://ameblo.jp/kunkokai/

    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
    | 渡辺由布子 | 2017/10/07 9:47 PM |









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