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「ふきのとう」
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    今月4日の日曜日、大分市コンパルホールで「大分県点字図書館まつり」が行われました。点字図書館を利用している障がい者の方や支援団体のみなさんが年に一度集まって楽しい時を過ごすイベントです。

    その支援団体の1つの音訳グループから犒夏畢瓩鬚笋蠅燭い帆蠱未鮗けました。群読は1人で朗読するのではなく大勢の皆さんがいろいろな組み合わせで1つの作品を朗読します。言葉で合唱するような感覚で1人朗読とはまた違った世界を表現できます。今では小中学校の授業で広がり「群読」を組み込んだイベントも各地で行われています。親子・夫婦・家族でもできますし「老化防止」になるとして高齢者同士で楽しんでいる地域もあります。

    そしてこの時選んだ作品は、まず教科書で教わった詞の中で最も印象に残っている作品の第1位にあげられている宮沢賢治「雨ニモマケズ」。次に小学校2年の教科書上巻の最初に取り上げられていた作品・くどうなおこ「ふきのとう」。そして最後に大震災後、大勢の皆さんがさまざまな形で取り上げている谷川俊太郎「生きる」の3作でした。並べた順番も良かったのでしょうが、極寒の今の時期、暖かな狃姚瓩鯊圓帖屬佞のとう」は特に好評だったそうです。

     

    実はこの教科書は金沢に住んでいる孫娘が使い終わったものです。私がセミナーの教材として最も重宝しているのが国語の教科書で、孫の教科書はすべて私の手元に届きます。学校の授業で手にするときは義務教育の一環としていやおうなしにあくまでも犁遡貝瓩箸靴騰牾悗哭瓩泙后それ以上でもそれ以下でもありません。ところがこうして義務と関係のない立場で教科書に載っている作品に触れると、改めてその素材のすばらしさに驚きます。さすがにそれぞれの専門家が厳選した作品ばかりです。生徒や学生のとき、作品の中身にどれだけ近づいていたのでしょう、おそらくただ表面をなぞっていただけに違いありません。

    この教科書の持ち主が住む金沢は今現在、大変な豪雪の中で悲鳴を上げています。九州生まれの娘は毎年、寒さが厳しくなると体調が悪くなります。小倉に住んでいた実姉夫婦も彼らの娘家族が住む北海道に移住しましたが、やはり冬の寒さと雪に耐えきれず4年目の昨年末、九州に引き上げてきました。以前一度だけ金沢の家の前の雪かきを手伝ったたことがありますが大変な重労働にまいってしまいました。あれを毎日欠かせません、大雪の中、お父さんも孫も歩いて通勤・通学しています、トラックが自由に動きませんので商品棚はからっぽで日常の買い物も大変です。おそらく私たち以上に北国の人たちは狃姚瓩待ち遠しいことでしょう。

     

      「ふきのとう」  くどうなおこ

     

     よが あけました。

     あさの ひかりを あびて、

     竹やぶの はっぱが、

     「さむかったね。」

     「うん、さむかったね。」

     と ささやいて います。

     雪が まだ すこし のこって、

     あたりは しんと して います。

     

     どこかで、小さな こえが しました。

     「よいしょ、よいしょ。おもたいな。」

     竹やぶの そばの ふきのとうです。

     雪の 下に あたまを 出して、雪を どけようと、

     ふんばって いる ところです。

     「よいしょ、よいしょ。そとが みたいな。」

     

     「ごめんね。」

     と、雪が 言いました。

     「わたしも、早く とけて

     水に なり、とおくへ いって

     あそびたいけど。」

     と、上を 見あげます。

     「竹やぶの かげに なって、

     お日さまが あたらない。」

     と ざんねんそうです。

     

     「すまない」

     と、竹やぶが 言いました。

     「わたしたちも、ゆれて おどりたい。

     ゆれて おどれば、雪に 日が あたる。」

     と、上を見上げます。

     「でも、はるかぜが まだ こない。

     はるかぜが こないと、おどれない。」

     と ざんねんそうです。

     

     空の 上で、お日さまが わらいました。

     「おや、はるかぜが ねぼうして いるな。

     竹やぶも 雪も ふきのとうも、みんな

     こまって いるな」

     そこで、南を むいて 言いました。

     「おうい、はるかぜ。おきなさい。」

     

     お日さまに おこされて、

     はるかぜは、大きな あくび。

     それから、せのびして 言いました。

     「や、お日さま。や、みんな。おまちどお。」

     はるかぜは、むね いっぱいに いきを すい、

     ふうっと いきを はきました。

     

     はるかぜに ふかれて、

     竹やぶが、ゆれる ゆれる、おどる。

     雪が、とける とける、水に なる。

     ふきのとうが、ふんばる、せが のびる。

     ふかれて、

     ゆれて、

     とけて、

     ふんばって、

     −もっこり。

     ふきのとうが、かおを

     出しました。

     「こんにちは。」

     

     もう、

     すっかり はるです。

     

    posted by: ちあやほーぶん | - | 06:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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